春が来ました。さぁ、やるぞという新たな気持ちが湧いてくるような季節です。シェリーの「雲雀によせて」('To a skylark')に"singing hymns unbidden"「思わず喜びの歌が口をついて出てくる」というのがあります。
空高く舞い上がった雲雀はまぶしい光に包まれて、姿が見えません。その雲雀を次のように歌っているところです。雲雀はまるで詩人のようだという箇所です。
Like a poet hidden
In the light of thought
Singing hymns unbidden
Till the world is wrought
To sympathy with hopes and fears it heeded not.
(粗訳 まるで思想の光に包まれて姿が見えない詩人、命じられもしないのに賛美の歌を歌い、この世がこれまで関心も示さなかった希望や慄きにもっともだと共感をするようになるほどまでに、賛美の歌を歌う詩人さながら)。
「太陽の光につつまれる」ところを「思想の光」といっていますが、雲雀の声が天から響いてくる様子を、詩人といっているところです。
夏目漱石は「山路(やまみち)を登りながら、かう考へた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」『草枕』(冒頭)と書き始めた山路を登りながら、雲雀の鳴き声を聞き、シェリーを引き合いに出しています。 雲雀でなくとも、私たちも思わず鼻歌でも喜びが口をついて出る季節。在校生も卒業生も心は詩人。さぁ、今日も晴れやかに、がんばってください。神様の祝福をお祈りしております。
杉野 徹